政治が為替を動かす場面

10月10日のポンドドルの急騰

最近のポンドドルは、下のチャートに見られるように、
10月10日の23時の安値(1時間足の安値)1.2215から
3営業日後の15日23時の高値1.2796まで4.75%も急騰した。
ポンドドルは変動が大きな通貨といわれるが、
それでもこんな急騰は珍しい。

ポンドドルの1時間足チャート

材料については、11日の午前0時45分に時事のニュースで、
英・アイルランド首脳が、EU離脱への筋道は見えるということで
一致したと発表したことを報じている。詳細は不明なので、
ヘッドライン程度が限度?しかも、ポンドドルが動いて1時間以上後。

政治的な実際の成果はどれほど?

政治の世界では1寸先は闇とか言われるので、
まだ、この先どうなるかわからないというのが私見。

ほんの2日前の8日に、北アイルランドの関税問題に関して、
英首相と独首相が不一致であることを報道が伝えるなど、
合意は無理かもという雰囲気の中、ポンドドルはドンドン下げていたのだ。

目まぐるしく変わるものだ。
しかも、EUの最も影響力のある独首相と反対のことを、
アイルランド首相がしたからといってどれ位政治的に意味があるのやら?
だから、効果はあまり期待できないと思うのだ。

売り方の敗走?

とはいえ過去のことを頭の中で考えてみてもしょうがないこと。
相場は現に大きく動いたんだから。
しかし、何故というのは依然残る。

需給面で言えば大きな買いが入ったというのは事実。
純粋な買いはどれくらいあったのかわからないが、
それまでの悲観ムードの中売り持ちしていた投資家は多かったはず。
価格が想定以上に上昇して、
利確の買いとか損切の買いを余儀なくされたのだろう。
つまり、これは売り方が敗走したことが大きな要因で上昇したのでは?

売り方の買戻しや損切を見越して買い進んだととすればすごいと思う。
最初から売り方の敗走が起こる臨界点まで踏ん張ってみようとしたのだろうか?
そして今回は見事成功というわけですかね。
小さい(?)政治的材料を上手く絡めて買い手が勝利したということ。

もっとも、投資家のスタイルによって同じことでも見方や対応が違ってくる。
長い期間をかけるポジショントレーダーは、
利が乗った売り玉を手仕舞うことが多いだろう。

1日に何回も売買を繰り返すスキャルパーやデイトレーダーは、
一旦は損切を余儀なくされただろう。
でも腕のあるトレーダーはその後の上昇波動に乗れたかもしれない。

なので通常は、スタイルの違う投資家が同じ方向に動くことは珍しいと思う。

どっちが大事 ー 情報取得、それとも条件反射?

日本では、今回の報道では時事が早かった。
推測だが、この種のニュースはBloombergが早い。
あるいは英国のリアルタイムのニュース配信(?)の方が早い。

どちらにしろ日本に情報が届くのは遅いのだ。
その上、その含意を読み取るのは難しく、時間もかかる。
なのでニュースを頼りにしている投資家は、
今回のケースでは混乱こそすれ素早い対応は難しかったと思う。

素早く対応をしたのは、チャートを中心にトレードしている
いわゆるテクニカル・トレーダー。しかも訓練を受けた人。
目で見て手が直ぐ連携して反応するのは、訓練の賜物。
これは若い10代とか20代の感覚や体力が発達中の人は習得しやすいだろう。
しかし、年取ってからでも不可能というわけではない。
根気よく、工夫しながらやればできると思う。

だから私の意見では、
反射神経を磨き、素早い対応ができるよう訓練するのが大事。
情報取得は、副次的でいいのではないか、ということ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク