初心者のためのFX取引初歩の2

FX取引初歩の初歩シリーズの第二段です。
今回はチャートの見方についてですが、
その前に時間帯の重要性の説明をします。
次にトレンド/レンジの話です。これは、木を見て森を何とかの、
森の部分です。大事なことですからしっかり念頭に入れて下さい。

チャートの見方の前段階ー大事な時間帯

チャートの見方の話の前に大事な話を一つ。
FX取引は24時間取引です。時間別にもう少し詳しくいえば、
東京時間もあれば欧州時間、あるいはNY時間もあります。
因みに、日本時間でぞれぞれ言うと、

・東京時間ー午前9時から午後5時
・欧州時間ー夏時間午後4時から午後12時(冬時間午後5時から午前1時)
・NY時間 ー夏時間午後22時から午前6時(冬時間午後23時から午前7時)
(注)欧米には夏時間と冬時間があり、冬時間は夏時間から1時間ズレます。

それぞれの時間帯でFXの通貨ペアの動きは、肌感覚ですが、
・東京時間は小動きで、比較的狭い範囲で動いている
・欧州時間は、東京時間での値幅を大きく破り一方向に動くことがよくある
・NY時間は、欧州時間とカブっている時は利確により欧州時間の動きの打消し的な
商状になることがある

そこで時間帯別の通貨ペアの変動値幅の平均(30日と90日)を
表にしてみました。一目瞭然で、東京時間は小動き、欧州時間に大きく動き、
NY時間に少し調整みたいな結果です。

◇主要通貨ペアの時間帯別平均変動幅 (単位:pips)

USDJPY
ドル円
EURUSD
ユーロドル
GBPUSD
ポンドドル
AUDUSD
豪ドルドル
東京時間30日 25 13 23 20
欧州時間30日 31 32 56 27
NY時間30日 30 27 43 20
東京時間90日 25 13 23 20
欧州時間90日 31 32 56 27
NY時間90日 30 27 43 20

(注)11月29日現在。 FXism提供のDailyVolatility(MT4ツール)の算出による

上表の内、ユーロドルとポンドドルは、欧州時間に東京時間の変動幅の
倍以上動いています。つまり、これら通貨ペアに関しては、東京時間の
値幅感覚で見ていると危険ということです。

チャートの本などでは通常日足ベースで説明をしますが、
5分足とかの短い時間軸の場合は時間帯の影響も大きいことに注意です。
従って、日足と5分足の両チャートを見る時は一緒くたにして見ないよう、
5分など短いチャートは時間帯も加味することを忘れないようにしょう。

そもそもトレンドorレンジとは?

簡単に行ってしまえば、トレンドは一定方向にドンドン行ってしまうことで、
レンジは直近高値安値を超えることなく、間を行ったり来たりする商状です。
FX業界では、トレンド3割(あるいは2割)、レンジ7割(8割)と
いうこともあり、過半は一定の幅を行ったり来たりです。

しかし、トレンドの認識は非常に大事です。
例え、レンジ商状の中、高値で売り、安値で買うを繰り返し成功しても、
一旦トレンドになり、レンジ取引のやられポジションが残っていると
今までの利益をすべて吹き飛ばすことも往々にあるからです。

トレンドの認識は、ダウ理論に負うところが大きいです。
入門書にはこのダウ理論の説明をしないことも多いですが、
初心者こそ、しっかりとこの理論を理解すべきです。

チャールズ・ダウという人はNY株式市場の指標であるダウ30種平均など、
ダウと名のついたものを色々開発した人です。
この人が提唱したダウ理論というのが重要です。
この理論は、以下の6つの基本法則からなっています。

・平均は全ての事象を織り込む
・トレンドには3種類ある
・主要トレンドは3段階からなる
・平均は相互に確認されなければならない
・トレンドは出来高でも確認されなければならない
・トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

上で書かなかった部分を書きます。
3種類のトレンドとは、
・主要トレンド - 1年以上の大きなサイクル
・二次トレンド - 3週間~3カ月程度のサイクル
・小トレンド  - 3週間未満のサイクル

主要トレンドの3段階とは、
・先行期 - 一部のプロ投資家が打診的な逆張りトレードをする時期
・追随期 - 多くの追随者が動きの方向に買いあるいは売りをいれて継続する局面
・利食期 - 先行者が利食いを始める段階で、価格の動きも小さくなっている

どこにトレンドの認識方法があるのかと怪訝がるかもしれません。
ダウ理論を背景にしたトレンド認識法とは、

Higher High, Higher Low
Lower Low, Lower High

です。これを解釈しますと、

高値を更新し、安値も切り上がっていれば上昇トレンド
安値を更新し、高値も切り下がっていれば下降トレンド

こう読み取るのです。そして、明確な転換シグナルが出ない限り、
トレンドは継続すると見ます。

トレンド例による確認

本日時点のポンドドルの日足チャートを使って実際に確認します。
ダウ理論確認

チャートの見える範囲で見ていきます。
〇まず、左側、4月下旬に3月の安値を更新します。
(下側にある小さい数字が月を示してます。)
5月上旬までリバウンドしますが、高値は切り下がりです。

〇気付くの遅い人でも、この時点で下降トレンドを意識していないと
いけません。少なくとも売り目線で売りのタイミングを計らなくっては。
この時期、英国の政治は混乱でしたので、売り仕掛けした人も多かったはずです。

〇順調に下げ、6月です。6月全体では少々悩ましい。
6月上旬にちょっとリバウンドしますが、切り下げ高値で終わり、
再び安値更新気配。見事更新しますが、問題はそのリバウンドです。
直近高値を更新しました。ちょっと警戒です。しかし、直ぐ下げます。
下降トレンドの継続です。

〇7月8月はダウ理論通り順調に下げます。
問題は9月に入ってから。リバウンドの高値が直近高値を超えてしまいます。
下降トレンドは終了?トレンドの次にはレンジも多いですから、
慌てる必要はないと思います。この時期、英国首相が交代したんですかね。
それで、雰囲気が変わった?

〇10月になって、安値切り上がりで反発に転じました。
もう下降トレンドなどと言ってられません。
トレードをする人の良い所(?)は、コロッと考えを変えることです。
上昇を警戒する、つまり買い目線に切り替えです。

ブレグジット法案が提出とか、通過しそうとかで、急騰です。
この辺りは政治要因でも話したところですから気になる方は見てみて下さい。
そして、トレンド後のレンジ。今はその状態でしょうか。

以上、過去チャートの解説をしましたが、これはトレードの話ではなく、
あくまでもチャートの見方の話です。トレードについてはもっと後です。

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