初心者のためのFX取引初歩の9

初心者むけFX取引について、今回は9回目です。
誰もが取引を上達させたいものです。
FX取引を長く続けたいなら、適切な管理が必要です。
自分の取引データの蓄積が進んだことを前提に、
簡単ですが核心を捉えた計数分析ができますので、
今回は、その分析法、評価法について説明します。

FX取引の通信簿の評価項目

FX取引は継続できてナンボというようなものです。
1回こっきりの大勝負をするのは、個人の自由ですが、
これはFX道(あると思います)から外れています。

ただ単に続けるだけじゃあ芸がありませんので、
トレード上達の糸口を与えてくれる管理法を一つお話しします。
これも、前回話した取引日誌をつけるなどして自分のトレードの
データをしっかり把握できて初めて出来ることなのです。

管理法と言っても、難しいもでのはありません。
足算などの算数を使って出来ます。
使う数字はたったの3つです。
・勝った時の平均pips数
・負けた時の平均pips数
・勝率
です。

それぞれの数字は、計算上1つで出てきても、ずっと変わらないものではありません。
管理を柔軟にするために予め言っておきます。つまり、
自分の調子がどのような影響があるか体感として知ってほしいです。
そして調子が良い時、悪い時でこれらの数値を加減して考えてほしいです。
それではこの3つの数字について簡単に説明します。

勝った時の平均pips数

勝った取引だけでどれ位のpipsを抜いているかを調べ、その平均値を出します。
私の考えでは、デモ取引とリアル取引を分ける必要はなく、
ごっちゃにして平均値を出してもいいと思います。
その方がデータ数が多くなりますから。

例えばデモもリアルも含めて勝った取引が100取引あり、
総獲得pipsが1,500pipsであれば、平均15pipsという計算です。

負けた時の平均pips数

買った取引とは逆に、負けた取引をピックアップし、
その平均値を出します。この場合も、デモもリアルもごちゃ混ぜです。
仮に、80取引が負けで、負けの総pips数が900pipsであれば、
平均は11.25pipsとなります。

勝率

勝率は全取引に対する勝ち取引の比率です。
先の例です、勝ちが100取引、負けが80取引ですから、
100÷(100+80)=55.5%となります。

この勝率は過去の実績値ですが、これから先も同じと考えれば確率となります。
そして確率は将来の予想収益を計算する上で必要な数値です。

実績と予測

実績だけを出すのであるなら、単に損益の金額を合計すれば出ます。
全取引数で割れば1取引の平均損益も分かります。
pipsの合計は、先の例で600pips(1,500-900)でしたから、
これが実績と考える人も多いかも知れません。

この実績値を使って、次も同じ、あるいは比例して考えても上手くいきません。
また、計画と違ってきても往々にして対応策も出てきません。

そこで、少し芸のある方法を紹介します。
先の3つの数値を使います。
基本計画はこうです。

1取引辺り期待pips=平均獲得pips×確率ー平均負けpips×(1-確率)
=15×0.555-11.25×(1-0.555)
=3.319pips (3.333にならないのは確率の数値が少なめに出ているため)

となり、仮に200取引程度取引を行い、ロットは5とする予定であれば、

期待総pips数=3.319×200=663pips
1取引辺り期待収支金額=3.319×500,000÷100(注)=16,595円
200回期待収支金額=16,595×200=3,319,000円
(注)100はドル円の1pipsが100分の1であるから。
外の通貨ペアで10,000分の1である場合は10,000で除す。

以上は、これまでの前提のもとに計算したもの。狸の皮算用です。
これを意味のある計算にするにはあなた自身の個別データが必要です
また、損益に影響する数値を分解したのは、変化の原因を掴みやすくするためです。
例えば、勝ち平均pipsが少なくなったから、その対応策を練るとか。
あるいは、負け平均pipsが大きくなったので、もう少し早めに損切とか。
あるいは勝率が悪くなったので、もう少し慎重にと言う風にです。
これが分かっていれば迷いもなく対応もしやすいというものです。

前述の評価法で3つの取引スタイル比較

取引スタイルはいろいろありますが、ここではスキャルピング、
デイトレそしてスウィングの3つを見てみます。
簡単に違いを言いますと、
・スキャルピングー1日に何度も取引を回転させる、いわゆる薄利多売型
・デイトレー1日に1回か2回程度の売買。原則オーバーナイトはしない
・スウィングー2、3日~1週間程度ポジションを保有する取引スタイル
これらの前述の損益評価を適用しますと概略次のようになります。

◆スキャルピング
・勝ち平均pips 3pips
・負け平均pips 10pips
・勝率     85%
以上から期待pipsは1.05になります。しかし、売買の回転数が
10回転とか20回とか多いので、1日で10回転としても、
10.5pipsという計算です。

◆デイトレ
・勝ち平均pips 15pips
・負け平均pips 15pips
・勝率     60%
以上から、期待pipsは3pipsという計算です。1日に2回回転すると6pipsです。

◆スウィング
・勝ち平均pips 100pips
・負け平均pips 20pips
・勝率     20%
以上から、期待pipsは4pipsです。しかも、保有期間が何日もある取引です。

以上は、EA(自動売買)の過去検証などを参考に、取引スタイル毎の
差異を示したものです。数値に現れない難易度については考慮していませんが、
取引スタイルの違いをよく浮き彫りにしています。

自らの取引が増えていくと、自然と自分はどの取引スタイルかも分かって
来ると思います。その中で、収益を増やす努力をすることが望まれます。

これまで、かなりの内容を含めて説明してきました。
十分すぎるくらいの道しるべをしたつもりです。
このシリーズも後1回をもって取り敢えず終えたいと思います。

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