行動エネルギー-まとめ

これまで行動エネルギーを「外側」に求めていた気がします。
そうではなく、実は、「内側」にあるんだと思うようになりました。
「外側」とか「内側」とか、基準が不明確なままで言ってしまいました。
何のことかと思うかもしれません。
行動エネルギーなんだから内側だろうと思うかもしれません。
そのあたり、私とあなたの間には理解の溝があります。
なので、これから説明していきたいと思います。

行動エネルギーは「外側」、それとも「内側」にある?

何言ってるんだと怒られそうですが、ここでは、
意識をあえて「外側」にあると見ます。潜在意識を
あえて「内側」にあると見ます。便宜上分けている
のですが、この方が以降の話を理解し易いと思います。

なぜこのように思うようになったかというと、
慶応大学に前野先生という方がいらっして
「受動意識」なるものに出会ったからです。面白いと
思いました。これは従来の考えとは違うので、少し
説明が必要です。

前野さんの「受動意識」というのは、多くの人が
考えているように意識は能動的なものではなく、
受動的なものだという考えです。

多くの人は、意識は能動的で、日々の行動や目標達成
も意識が命令して行っており、当然、無意識もその
支配下にあると考えていると思います。

でも、前野先生は、人間というのは、無意識による
情報処理が殆どで、その無意識な処理のうち意識が
認識できるものを後から受動的に受け取っている
だけという考えです。

この、無意識あるいは潜在意識が先にあって、意識
あるいは顕在意識が後にあるという考えは、コピー
ライティングを勉強している人には受け入れ易いこと
です。何しろ、購買の際に、買うかどうかを決める
のは感情あるいは無意識であり、その後に意識とか
思考が正当化しているというのが定説だからです。

また、最近の脳科学の研究によっても支持されて
います。実験で感覚よりも意識の方が0.2~0.5秒
遅れて情報を受け取っていることが明らかになり
ましたから。

そこで、こう考えるわけです。腹がすいたり犬に
吠えられたりした場合、まず「内側」にある無意識
が情報を処理する。腹がすいて、気づかないうちに
お菓子とか果物を食べているのはこの「内側」から
の処理の結果です。

犬の場合は、視覚や聴覚などいろいろな経路で
脳みそに入ってしまう。このため意識にのりますが、
逃げたり棒をもって追い払う行動は実は無意識で
している。それは、「内側」の無意識あるいは
潜在意識が先に決め、それを「外側」の意識や
思考が追認しているような感じです。

「外側」「内側」に分けることは、人間の行動
エネルギーのある場所とか循環のシステムにも
関係すると考えます。実は、行動そのものに対し
意識の関与は少ないのではと疑っています。
そんな風な考えから、意識をあえて「外側」として、
人間の行動のシステムを捉えようと考えてます。

行動を分けるメンタル(モデル)

この前野先生の本の中に、由佐美香子さんという方と
の対談本があります。由佐さん、最先端の認知心理学
からご自身のメンタルモデル理論を構築した方です。

誤解も恐れず簡単に言うと、人間の行動は、
無意識の中にそれぞれメンタルモデルがあり、
それに従った行動パターンとなるというもの。

これも簡単に言ってしまえば、無意識の奥底に根ざした
行動パターンがあるという考えで、その根ざした物のこと
をメンタルモデルと呼んでいます。

メンタルモデルを、彼女は4分類しています。
・ひとりぼっちモデル
・価値無しモデル
・愛無しモデル
・欠陥欠損モデル
の4つです。なんかすごい命名ですね。

ひとりぼっちモデルの人は、周りを気にせず目的を追求
する、いわば天才タイプです。お二人は憧れているよう
でしたが、私に言わせれば迷惑な存在です。

次の価値無しモデルの人は、自分には価値がないから
価値あることを追求しようとする人で、昔の企業戦士
です。組織に対して執着心が強い人。働き過ぎて、
病気になったりすることもあるそうです。退職と
なると延長線上ではなく、全く職種の違うものを
選んだりするそうです。

愛無しモデルの人は、自分は愛されていないと思う人。
なので愛を得るために尽くすタイプになります。組織
では、リーダーでなく、リーダーに近ずくフォロワー
になりやすい人です。

そして、欠陥欠損モデルは自分には何か足りないと思い、
自己不信や不安になる人です。でも他のタイプと違い
裏で糸を引いたりすることもあるとか。当然、協調性は
あるように見えます。

4つのモデル分けしましたが、人はひとつのモデルだけを
持っているのではなく、4つ持っています。ただ、人に
より濃淡があるという考えです。そして、これは時代と
ともに変化することもあるとか。

昔は価値無しモデルの企業戦士が注目されていました。
今の若い人には殆どいなくなり、代わって欠陥欠損モデル
の人が増えたといいます。企業戦士の人は今の若者をどう
扱ったらいいか分からないということで、上手く行かない
組み合わせになってしまいます。

まあ、自分のタイプを理解し、他人のも理解しようとする
統合あるいは融合が起こるとそれぞれの関係は良くなると
みるようです。

(出典)「無意識がわかれば人生が変わる」前野隆司・由佐美加子

行動エネルギーの正体

そもそもメンタルモデルが分かれる原因は何でしょうか?

遺伝でしょうか?それとも何か生まれてからの後天的な
こと?後天的なことを獲得形質とも言いますが、最近は
遺伝学者は、遺伝獲得形質とか言い始めて、遺伝の中に
取り込もうとしています。学者の考えは分かりません。

でも、メンタルモデルを形成する概要は分かってきてます。
幼児の頃、段々と育つうちに痛みや不安、恐れを経験する
ようになります。物理的痛みや精神的痛みです。親や
家庭、あるいは環境により引き起こされ、避けることは
できないですね。

痛みに対しては回避行動がでます。その行動は2種類です。
ひとつは克服行動、そしてもう一つは逃避行動です。簡単
に言えば、敵に出くわした時、反撃するか逃げるかの2つ
に一つということです。これが、実は生存行動です。
以降、行動パターンをプログラミングしていくことになり
ます。つまり、小さい時から作られているということです。

由佐さんはOS(オペレーティング・システム)といい
ます。コンピューターのOSのようなイメージです。これに
のせるアプリケーションにより行動が違ってくることを
考えているなら、言いえて妙です。

痛みに対する回避行動の仕方、それを支える心的要因、
これがメンタルモデルを分けていると考えです。
つまり、行動パターンは、元を正せは、克服か逃避。
その選択の仕方を幼少の時から長い年月をかけて
プログラムしていったものということです。そして、
どちらか選ばれると大きな行動エネルギーが流れ込む
というイメージです。これが「内側」の無意識で自動的に
行われているということになります。

目標達成に行動力で達成するとはどういうこと?

ここからは、お二人の考えから少し離れ、他の知識、
例えば自己啓発などの知識も含めて考えます。
まず、目標達成に関して意識の関わりについてです。

目標達成とか目的遂行とかは、意識が前面にでます。
つまり、未来を予測して支配しようとすることです。
意識が無意識を支配しようとするんです。

でも、それは簡単にできることでしょうか?
大部分の人は、自分の目標を達成できないで現状に
甘んじているのが現実です。何故か?

潜在意識をコントロールできていないからです。
コントロールとは言い過ぎかもしれません。せめて、
潜在意識に邪魔をされないようにすることができず、
結局、エネルギーを得ることもできず、無気力に
目標達成に失敗してしまうことになります。

なので、意志力鍛えても、目標を達成する行動力
のある人間には必ずしもなれないということです。
自分のメンタルモデルを理解し、無意識の行動
パターンを利用できるようになることの方が大事
ですよね。どうやって?というのはこれから
考えます。

過去記事の再解釈

行動エネルギーでは、目標追及を先延ばしに
することを書きましたが、これは無意識のなせる技と
いうことになります。なので、先延ばしなどしない
ためには、無意識との抵抗のない共存が課題という
ことでしょうか。

行動エネルギーその2では、無意識に悪影響を与える
負の栄養素の除去や悪い結果をもたらすミラーニューロン
の話をしました。ミラーニューロンと今回のメンタルモデル
は無意識の違った側面です。ミラーニューロンは周囲の人の
悪影響を知らずに受けるというものです。これはメンタル
モデルとは違ったことを言ってます。自主性のないミラー
ニューロンと長い年月で作られるメンタルモデル、どう
整合的に考えたらいいものか。これは無意識の隣同士の
現象かもしれませんが、今回は深堀しないということで。

行動エネルギーその3では、「呪いの暗示」を取り上げました。
これは、脳内でネットワークができ、強い人からストレスを
無意識のうちに受け取ってしまうという考え方です。

1~3までは、何故目標や目的に向かってエネルギー一杯に
行動できないのかという疑問から出てきたものです。

ピッタリの正解でないにしろ大きな気づきにはなりました。
これで、行動エネルギーを上手く使い、目標あるいは目的
の遂行がスムーズにできるようになれるといいのですが。
それが実現するよう願うばかりです。

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