起業を正しく導く方法

経営コンサルタントの神田昌典がYouTube動画で、起業本の
「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・ガーバー著を推薦
していました。早速読んでみました。分かりやすく、また私の
従来の考え方を修正させるものなので、面白かったです。
さっそく感想を書こうと思いました。正確な要約というよりは、
従来の考え方を修正した点をフォーカスしたいと思います。

起業における3つの人格

起業家の内部を伺うと3つの人格があると言います。
「起業家」「マネジャー」「職人」です。

「起業家」は未来を切り開くべくいろいろ計画を立てる人。
「マネジャー」は過去をキレイに整理し基礎を固める人。
そして「職人」は現在において専門分野で能力を発揮する人。

なお、日本だと、営業はどうしたと聞かれそうですが、ここでは
お客は「職人」のつくる製品の質に応じて購入する前提です。
なので、営業も「職人」の中に入っていると考えます。

この3つの人格が一人の起業家の中に内在していると見ます。

この考えは、私には斬新でした。

以前は、起業家一人には1つの人格があるだけと考え、ただ
いろいろなタイプがいるだけと考えていました。そして、
その延長でずっと推移すると考えていたのです。

3つの人格という考えのいいところは、それぞれの役割だと
考えるところです。企業の成長について興味深い説明が
できますから。

企業の存続年数

アメリカでは、統計上、新会社は設立1年以内に40%が、そして
5年間で80%以上が姿を消すそうです。さらに次の5年間で、
残り20%の8割がいなくなる。結局、10年生き残るのは4%
という厳しさです。

日本でも、似たようなもので、10年以上生存するのは10%以下
とのことです。

なぜこんなに短命なのでしょうか?
その理由を3人格は興味深く説明します。

企業の存続・破綻の理由

起業当初は、「職人」と「起業家」が上手く協働して会社を
起しますが、段々と「職人」が主導権を握り、「起業家」や
「マネジャー」を追いやってしまうのです。

そのため、環境変化への対応や経営管理が上手くいかず、
結果、破綻ということになるという説明です。

「職人」は必要ですが、事業の安定や成長には力不足ということ。
会社の存続には「起業家」や「マネジャー」の働きが必要です。
つまり、「職人」「起業家」「マネジャー」の協働があって
事業は順調に行きますが、そうでないと行き詰るということです。

3人格説の方が役割分担など柔軟

1人格が3役こなすというのは、しんどいし、難しいことだ
と思います。一つの人格で3つの脳力を使いこなすのは非常
にムリがあり、そんな器用な人はいないと思うんです。

なので、私は3人格説の方に賛成です。3人格の方が、
それぞれの人格が別の役割を担い、果たしているという
風に考えるのです。

従業員を増やし拡大したときのことを考えてみてください。

1人格3役だと、不得手な役割を責任放棄のように、丸投げ
してしまいがちです。例えば、「職人」が企画や経理は苦手
で嫌いということで、完全に任せたとします。これが破滅へ
一歩一歩と進んで行くことが多いです。何故って、「職人」が
オーナーで、安い報酬の「起業家」が重たすぎる責任を負わ
されることが多いからです。「起業家」は離脱しますよね。
その後、会社は迷走です。よくあるケースです。

これが、3人格で3役をこなしていれば、役割移譲も順調に
できると思いませんか?

断っておきますが、3人格というのは精神病の3重人格とは全然違い
ます。繰り返しますが、役割であり能力の発露的な見方です。
「職人」の役割と能力、「起業家」の役割と能力みたいなものです。

「事業開発プログラム」とは何?

「職人」「起業家」「マナジャー」が上手く協働できれば、
事業は成功したも同然です。

大事なのは、その事業が本当に価値があるか確信することです。
なので、オーナーは自分自身に問いかけが必要になります。

あなた自身が本当にやりたいことは何か?そして、
事業はそのやりたいことの役に立っているか?

人間って複雑じゃないですか。意識では賛成していても、
無意識が反対ってこと、往々にしてあるんです。そして、
結局、上手くいかない事なんてザラです。

なので、自分自身が本当にやりたいことを意識的ばかりでなく
無意識でも、納得する事業を見つけることです。

そうすれば、無意識の邪魔もなく順調に進むことができます。
そして、手作りサイズで利益のでる事業を作り上げるのです。

これができれば、次のステップ、マニュアル化、システム化です。

事業の安定や成長を支えるシステム化

手作りサイズの事業でも顧客の評判を呼べば、拡大せざるを
えなくなります。拡大すれば失敗のリスクも高まります。

解決策は、システム化とマニュアル化にあります。

つまり、大事なことは、オーナーが感じていた価値を、他の
役職員も感じ取れるようなマニュアルを作り、システム化
することです。

しかも、顧客も満足してもらえるようなものが成功への秘訣です。

これは、ある意味、ゲーム作りに似ています。みんなが楽しめる
ゲーム。そして長続きするゲームです。そのためにルールが必要。

そんなものどうやって作るのか?

疑問当然です。作り方は詳しい説明はしませんが、手作りサイズ
の事業が良質であれば、そこに大事なヒントがあります。つまり、
手作りサイズの事業をマニュアル化するんです。

実践の中で改善することも当然です。

また、単なる管理システムではダメで、役職員全員が共有でき、
オーナーの理念や約束が守られ、効果を享受できるものである
ことです。

かくして成長が見込める優良会社ができるということです。

言い忘れるところでしたが、これら全部、オーナーの内面から
出て来るものを具現化したものともいえます。

自己が失われてきているという現代社会ですが、企業の成功は
オーナーの自己の再確認や確立につながることでもあるんです。

ぜひ、多くに起業家に成功してもらいたいものです。

(敬称略)

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