瀬戸内女性の歴史ロマン

歴史小説に出てくる瀬戸内の女性

16世紀の瀬戸内の女性を描いた小説が2冊あります。
実は、私は2冊ともまだ読んでいませんが、
関わりのあるものを見て知るようになりました。

1冊目は、「村上海賊の娘」という、2013年に単行本で出された小説です。
主人公の女性は村上武吉(1533年頃生、1604年死去)の娘で、
1576年の大阪での第一次木津川口の戦いで、
織田信長軍を蹴散らかすところが山場になっているようです。

2年位前に大島に行ったとき、
宮窪にある村上水軍博物館に行きました。
平日の午後だったのですが、既に掃除を始めていましたので、
閉館ですかと尋ねたところそうじゃないとのこと。
入館チケットを買おうとしたのですが、後で宣伝しといて、
ということで、ご厚意で無料で入館できました。
当時はこの村上海賊の娘のイベントを大々的にしていました。
そこで村上海賊の娘を知ったわけです。

もう一冊の小説は、「海と女と鎧 瀬戸内のジャンヌ・ダルク」(1966年)です。
やや以前に出版されていたこともあり、全然知りませんでした。

先月大三島の大山積神社に参拝したとき、
宝物館や国宝館にも行き、鎧や刀剣を見て回っていたのですが、その中に、
鎧を付けた若いキレイな女性が海の中で振り返った様を描いた掛け軸があり、
何故こんなところにと、少々不思議に思いました。

その女性は鶴姫という人でしたが、全然知らないので、
帰ってからネットで調べてみました。
1526年頃から1543年ころまで生きた大祝鶴姫という、
大山積神社の大宮司の娘をモデルにした小説があることを知ったのです。

女主人公はスーパー強い!?

2冊の小説の主人公は共に女性です。
しかし、2人とも強い。男よりも強いのです。
子供の時から体格はよく、武術をドンドン習得していきます。
そしてその武力は大いに発揮されるのです。

鶴姫の場合は大三島が山口県の大内軍や陶軍に浸略されそうになった時、
大山積神社の大宮司の息子などが長を務める三島水軍で、
敵方を蹴散らかしていくのです。
鶴姫の武勇には大内や陶の軍隊もタジタジです。

しかし、掛け軸の鶴姫は現代風に見ても美人です。若い身空恋もします。
しかし、その恋人越智何某は戦死してしまい、
鶴姫もすべてが終わった後、後追いの入水自殺をするのです。
悲恋ですね。

かたや村上景は醜女と表現されています。
欧米人のような顔のつくりで、地元の人たちからはブスと見られていたようです。
それが、周囲の大人たちのコズルい判断をしり目に、
窮地に立っていた大阪本願寺に食料を見事運ぶのです。
その時、九鬼水軍だと思いますが、
邪魔する奴らをバッタバッタとやってしまいます。

小説とはいえ、この二人は強い。男勝りというよりは男より強い!

小説ですから

ネットで調べていると、史実と違うとかおしゃる人がいます。
そんなことは分かっています。これは小説ですから。

歴史小説は実際の史実と照らし合せると面白さが倍増しますね。
しかし歴史を調べるのは大変で、大抵は色々な説が出てきます。
もし真実は一つであれば、一つだけ正しく、他は嘘とか妄想になってしまいます。
なのにいい年をした大人たちは真剣に論争しています。
これって楽しいからでしょうか?

しかし、若い人たちには心してもらいたいことがあります。
それは、私が大学を卒業するときの話です。
ある講談師がよばれ、話をしました。それは、
講談師を信用してはいけません。講談師がいう史実とか実録というのは、
真実が4しかないからシジツ、事実が6つもあればジツロクなんですから、
とのことでした。

ほんと上手いことおっしゃる講談師でした。初めからこういう態度で接すれば、
楽しみも増えるということでしょか。

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